2007年02月24日
国のプライド
オーストリアから
どの国にもプライドがある。そのプライドを失うような危機に陥ると、パニック現象が生じる事がある。プライドを守るために戦争が生じることだって過去あった。
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アルプスの小国オーストリアにもプライドがある。“ウインタースポーツの国”というのがそれだ。一九五六年冬季五輪大会のアルペンスキー三冠王(回転、大回転、滑降)で日本にもファンが多数いるトニー・ザイラーから、最近では四度のW杯総合優勝者ヘルマン・マイヤーまでスキー選手の英雄は数え切れない。
そのオーストリア・チームがスウェーデンのオーレで開催されたアルペンスキー世界選手権ではなかなか金メダルが取れなかった。スーパー複合で昨年W杯総合優勝者べンヤミン・ライヒ選手が銀メダルに終わるなど、有望選手が次々と期待を裏切っていった。
女子大回転でニコル・ホスプ選手が同国初の金メダルを取ると、メディアの批判の目は男子選手に集中。そのような中で行われた男子滑降では何と八位が最高。大回転でもマイヤー選手の二十一位が最高という歴史的な屈辱を味わった。スポーツ欄のコラムでは「言い訳はもう聞きたくない」といった叫びに近い糾弾が目立ったほどだ。
そして選手権十日目、マリオ・マット選手が男子回転で念願の金メダルを取ると、同国メディアは前日までの批判や嘆き節を忘れ、「オーストリアの男子アルペンスキーの名誉を救ってくれた」という見出しでマット選手を持ち上げた。そして最終日の十八日、国別競争(スーパー回転と回転の総合)でも見事、金メダルを獲得、合計九個のメダルで国別メダル数で第一位となった。同国アルペンスキー協会のハンス・プム会長が「わが国の名誉は守られた」と大喜びしたのは言うまでもない。
「終わりよければすべて良し」だが、個人でも国でも、そのプライドを守るということは並大抵の事ではない。
(O)
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そのオーストリア・チームがスウェーデンのオーレで開催されたアルペンスキー世界選手権ではなかなか金メダルが取れなかった。スーパー複合で昨年W杯総合優勝者べンヤミン・ライヒ選手が銀メダルに終わるなど、有望選手が次々と期待を裏切っていった。
女子大回転でニコル・ホスプ選手が同国初の金メダルを取ると、メディアの批判の目は男子選手に集中。そのような中で行われた男子滑降では何と八位が最高。大回転でもマイヤー選手の二十一位が最高という歴史的な屈辱を味わった。スポーツ欄のコラムでは「言い訳はもう聞きたくない」といった叫びに近い糾弾が目立ったほどだ。
そして選手権十日目、マリオ・マット選手が男子回転で念願の金メダルを取ると、同国メディアは前日までの批判や嘆き節を忘れ、「オーストリアの男子アルペンスキーの名誉を救ってくれた」という見出しでマット選手を持ち上げた。そして最終日の十八日、国別競争(スーパー回転と回転の総合)でも見事、金メダルを獲得、合計九個のメダルで国別メダル数で第一位となった。同国アルペンスキー協会のハンス・プム会長が「わが国の名誉は守られた」と大喜びしたのは言うまでもない。
「終わりよければすべて良し」だが、個人でも国でも、そのプライドを守るということは並大抵の事ではない。
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この記事へのコメント
1. Posted by karu 2007年02月24日 15:40
大の大人がそんなに熱くなって、微笑ましい気がするけど、選手の方は・・・? 内向的タイプの日本人選手なら、「ほっといてくれ。国のプライドのためにやってるんじゃない」と反発しそうな・・・。オーストリーの選手はどうなんでしょう?「国の名誉のためにもやるぜ!」タイプかな?
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