2007年02月27日

再就職にも贅沢

フランスから

 フランスの失業率は改善されたとはいえ、8%台と日本よりはるかに高い。最近は、グローバル化が進み、外国資本の企業がフランスにも多く、簡単に合理化を進めるために仕事を失う人も少なくない。

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 友人のジャクリーヌさんも、そんな一人で、オランダ系OA機器メーカーで秘書を二十年も勤めながら、二年前に解雇された。子供が二人いる彼女だが、解雇後は、手厚い失業保険と、夫の給料で、結構優雅な暮らしを続けてきた。さまざまな再就職のための研修に参加し、英語力の強化や、ビジネス研修も受けた。

 周りから、夫の給料だけでも十分暮らせるから、主婦でいたらとも言われたが、八割以上の女性が働くフランス社会では、専業主婦の方が例外的選択ともいえる。事実、彼女も仕事をすることにこだわった。そして三カ月前、ようやく近くの市役所に仕事が見つかった。


 一つのポストに八十人が応募し、見事に合格し、公務員職を手に入れた。フランスの公務員は、給料は安くても、さまざまな特権が与えられている。低金利の住宅ローンをはじめ、バカンスのための旅行フリーチケットの支給まである。その特権の数々にあこがれるフランス人も少なくない。

 ところが、ジャクリーヌさんは、早くも辞めたいと周囲に漏らしている。「退屈な仕事で、暇な時が多い」というのだ。「やりがいがない仕事をしていると、自分が惨めよ」と言っているそうだ。

 「仕事を得られるだけでもありがたいご時世なのに」と夫は言うが、その夫は過去失業して三年間、仕事をより好みした経歴がある。白人の二倍の失業率に苦しむ移民たちが聞いたら、あきれる話だが、とにかく、できるだけ短時間、やりがいのある仕事をして、いい給料をもらうことだけ考えているのが、今のフランス人のようだ。

(A)

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sekai_no_1 at 09:47│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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