2007年03月02日

擦り寄るスリ

インドから

 インドの列車の普通座席が普通でないことは、先回書いた。座席なのに二段ベッドのように上下に分かれ、金網で仕切られているなど囚人護送列車の感がしたというものだ。

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 その座席に三十六時間座り続けた。多くの人々が立ったまま過ごしている中、座れたのはグループ客の好意によるものだが、そのグループ客がただ者ではなかった。その結束力は、血のつながった親族の絆(きずな)とその稼業によるところが大きいと直感した。

 その稼業がどうも怪しかった。座席を譲ってもらったその親切さには心から感謝するけど、素行がどうも怪しいのだ。まず、こちらが寝ていると、にわかに擦り寄ってきてそっとポケットを触りにくる。

 親切だからといって、心を許せばとんでもない結末を迎えかねない。大体、ポケットを探ってくるというのは、スリ犯としか考えられない。

 現金を左のポケットに移し、右側の人物が次の行動に移れないようにした。

 だが、敵もさるもの。次にバッグのデジカメに照準を合わせてきた。バッグを覆うようにして、毛布をかぶせ、上からは見えないようにしながら、下から手を伸ばしバッグのファスナーを開けようとしているように読み取れた。こちらが疑念を持った以上、やりたい放題にはさせない。だが、決定的な証拠がないまま騒ぐと、彼らは十五人ほどのグループだし、逆にこちらが危なくなる。

 ともかく眠ったらおしまいだった。スリとの戦いは、まさに眠りとの戦いだった。だが向こうもこちらが警戒していると、決して手を出すようなことはしなかった。リスクを犯してまで、強引に強奪する意思はなかったらしい。

 インドで強盗のターゲットになった場合は怖いが、警戒のアンテナさえ張っていれば、スリは防止できる。

(T)

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この記事へのコメント
大変な旅行でしたね。しかし、スリが暴力を使わないのはありがたいです。日本の伝統的(?)スリは油断に漬け込むタイプですが、インドもそうなんでしょうか? 刃物やスプレーなど暴力的なスリが多い国もあるそうで、世の中いろいろだと感じました。
Posted by karu at 2007年03月02日 16:32
Karuさんの言う通り、集団で強引やらないのは国民性でしょうか。でも今の日本ではやりたい放題で悪質さが半端ではないですね。急性長のインドの未来が他の悪い文化の影響を受けないことを願います。
Posted by SUGEO at 2007年03月02日 17:37
「日本の常識世界の非常識」と言われて何年になる?殊に現在、国内外を問わず、何処に行こうと最悪の場合を想定しなければならない折だ。物珍しさだけでは泣きを見る。
やや論旨の甘さが気になるが、何も考えていないお調子者が、某地で被害に遭った時に思い出すと、文面が優しい分だけ、今更ながら皮肉めいて、余計に落ち込ませる位の警告になるだろう。
Posted by 武 at 2007年03月04日 08:11