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　今年もソウル市内では、恒例の大統領を迎えての記念式典があった。就任以来、繰り返し対日批判を展開してきた盧武鉉大統領は、この日も「靖国神社参拝・歴史教科書・竹島領有権」の“反日三点セット”に加え、元従軍慰安婦問題にも触れながら演説した。

　一方、ソウルの漢江沿いや南西部の光州などでは、「独立」に思いを馳（は）せてもらおうと、テレビ局などが主催してマラソン大会が開かれた。十キロ、ハーフマラソン、三十キロの三コースに分かれるなどして、地元住民らが数千人単位で参加し汗を流した。

　そしてソウル市庁前に約一万人を集めた保守陣営による反「親北反米」集会には、なぜか独立運動当時を連想させる民族衣装に身をまとった女子学生たちが登場した。登壇したキリスト教のある牧師が、「イルボンノムドゥル（日本のやつら）による支配を終わらせるため、神様は広島と長崎に原子爆弾を落とされたのです」と絶叫し、会場が拍手喝采（かっさい）になったのには、いささか参ったが。

　反日に染まるのも被害者としての歴史を思い起こす日だからこそ――と、今では在韓日本人の多くがこの日の“パフォーマンス”にも慣れた。そして今年も、外出の際に大きな声で日本語を話しづらくなっている自分たちに気付くのであった。

（Ｕ）

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