2007年03月03日

事故で知る水の大切さ

エジプトにて

 エジプトの首都カイロの高級住宅地の一つマアディ地区で、二月十六日夜から水道管破裂で水を使用できない状態が始まり、生活全般に不便が拡大して、改めて水の大切さを感じさせられた。飲み水はもちろん、食器洗い、掃除の水もないばかりか、米を研ぐ水もない。最も困ったのはトイレを使用できないことだった。

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 エジプトのトイレは基本的に水洗で、後始末も紙を使用せず水を使用する構造になっており、小用は戸外でできても、大便はどうしようもない。被害地域はかなり広く、遂に家を飛び出し、市中心部のホテルに行った。

 結局、正常化したのは四日目の朝で、隣家のバスルームから聞こえてくる水の音で気付かされた。報道では、破裂場所は各地に延びる水道管が集中している場所で、修復する空間が狭い所に、電気の配線も集中しており、修復にかなりの時間がかかったという。付近の主要道路や地下鉄の線路も冠水し、地下鉄も一時停止したほどの大事故だった。

 日ごろ、インシャーアラー(すべては神の御心のままに)精神で楽観的なエジプト人も、当局からの情報不足に怒り、多くの人が給水車の即時配車を要請した。被害地域の飲み水の値段が四割以上も上昇したのも、怒りを増幅させた。モスク(礼拝所)に運び込まれる水に多くの人々が群がり、無政府状態に陥った。インフラの整備は以前から指摘があったが、後の祭りとなった。

(S・カイロ在住)

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この記事へのコメント

1. Posted by かもめ   2007年03月03日 15:13
高級住宅地なのに大変な4日間で、改めて水の大切さを実感しました。
「インフラの整備は以前から指摘があったが」・・・どうして放っておいたのか、首を傾げます。極端な話、この脆弱さを利用して、テロといかなくてもSさんがおっしゃった無政府状態に陥れることは簡単かと思います。政府は軍で鎮圧するかもしれませんが。それと、水道代がタダ、という世帯もあって、利用する市民から水道代を徴収してインフラ整備に充てないのは摩訶不思議です。世界の七不思議ではないですが、エジプトの七不思議の一つです。

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