2007年03月20日

サンクトペテルブルクのトイレバス

ロシアにて

 「何かにおうな」

 ロシア第二の都市サンクトペテルブルクの、エルミタージュ美術館前の宮殿広
場を歩いていた時のことだ。筆者の嗅覚(きゅうかく)が、不思議なにおいをと
らえた。記者を長年やっていると、かすかな変化から、ニュースのにおいをかぎ
分ける鋭敏な嗅覚が身に付く、と言われる。



 残念ながら、筆者はその境地に達しておらず、とらえたのは文字通りのにおい。
付近にトイレがあるわけでもないのに、なぜか臭いのだ。

 近くに停車している路線バスの反対側に、仮設トイレでもあるのかな。そう思
い反対側に行ってみると、なんと、バスの窓に「WC」の文字が。大型路線バス
の内部が公衆トイレになっているではないか。

 早速、係りのおじさんに料金を払い、中に入ってみた。

 低床型のバスの内部が幾つにも仕切られ、扉を開けると金属製の水洗式洋式便
器が。少々無理のある改造だったようで、小便器がある奥に行くには、狭い通路
の段差を二つ上り下りしなければならない。

 運転席は普通のバスと同じだが、これだけのトイレを背後にして運転するのは
どんな気分なのだろう。係りのおじさんに聞いてみた。

 「別にどうってことはないさ。仮設トイレを設置するより簡単で、すぐに移動
できる。合理的だろう」

 ちなみに、走行中でもトイレは使えるのだろうか。

 「使えるが、そんなことをしてどうするんだ」

 確かにそうだ。トイレを使っている間に、知らない場所に移動していたら困る。

 トイレバスは男性用、女性用の二台セットで、お値段は「知らない」(係りの
おじさん)そうだ。機動力は抜群で、イベントなどで人出に柔軟に対応し、快適
なトイレ環境を提供する。

 ロシアも、なかなかやるではないか。

(O)

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sekai_no_1 at 13:22│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by karu   2007年03月28日 22:32
「ロシアも、なかなかやるではないか。」
そうですね、ここでさらにひと踏ん張りし、「何かにおうな」の、臭い対策の進んだ移動式トイレの開発を、祈っています。

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