2007年04月16日

近代的なリヤドの街並み

サウジから

 サウジアラビアの首都リヤドは、広い道路に近代的なビルや建築物が立ち並ぶ清潔でゆったりとした美しい町だ。一九三三年から始まった石油関連産業の勃興(ぼっこう)による膨大な富が、わずか七十年の間に、砂漠のど真ん中のオアシス(リヤドの意味は庭園)を、かくも超近代的な都市に変貌(へんぼう)させた。

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 市の中心部からやや外れた地域には、昔の名残をとどめるアラブ特有の小さな商店が立ち並んではいるものの、中心部には、九十九階建てのロイヤルタワーやノアの箱舟を連想させるエルファイサレイヤビルなどの超高層ビルがあり、市民の誇りになっている。

 それらのビルの内部には、外国の有名化粧品店や洋服店、靴やカバン、貴金属・時計店などが入っていて、真っ黒なガウンを羽織り、目だけを出した婦人たちが、アラブ特有の頭巾、真っ白なガウンをまとった主人や家族、仲間とともに買い物を楽しんでいる。ここでは婦人たちを撮影することは禁止されている。

 米国系ファストフード店や日本車をはじめとした車販売店、外国系ホテルも道路の両サイドに並んでいる。内務省ビルなどの官庁ビルも斬新なデザインを採用して人目を引く。

 一戸建ての住宅やマンションも白を基調とした真新しいものがほとんど。道路沿いやビルの周りには、やしの木などの大木や可憐(かれん)な花が咲き乱れ、空気もさわやかで気持ちがいい。季節的にも三月末は最高なのかもしれないが、ごみ一つ無い快適な生活空間をつくっている。

 見た目には欧米世界と全く同じ光景が展開しているのだが、内部では全く違う服装の人々が、かなり違う思想・宗教の下で生活している。実に不思議な感覚だ。

(S)

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この記事へのコメント

1. Posted by くる天ブログランキング   2007年04月16日 11:44
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2. Posted by かもめ   2007年04月20日 22:17
サウジに行ったことがないので、興味深く読ませていただきました。どこかに「アラブらしさ」はみられないのでしょうか? エジプトなどでは、家の中もフランスの影響か?と思うような家具が多いのですが、それでも、マシュラビーヤなど、アラブ特有のものも見られますね。サウジも、個人の家の中はどうなのかしら? もしすべて欧米風だったら、なんだかちょっとがっかりですが…。 それと、「ごみ一つない空間」というのは、サウジの人皆が気をつけているのか、掃除をする人(出稼ぎ労働者)の絶え間ない努力なのか、どちらでしょうか?
3. Posted by S   2007年04月23日 20:32
かもめさんのご質問に不充分な返答で申し訳けないのですが、アラブらしさが残っているのは、市の中心部から離れた地域にある商店などに見られます。カイロで見られるごちゃごちゃした雑貨屋さんがありました。個人の家を訪問する機会を持てなかったので、家の中はよくわかりませんが、多分アラブ的なものが一杯あるのではないかと想像しています。宗教や思想、生活が同様ですので。ロイヤルタワーの77階には王室用の祈祷室があり、アラブ・イスラム色が濃厚でした。ごみは良くわかりませんが、かなりの外国人労働者がおり、彼らはサウジ人の横柄さ(命令ばかりするとの)に文句を言いながらも、かいがいしく働いています。肉体労働の大半は彼らとのこと。
4. Posted by かもめ   2007年04月27日 20:31
S記者さん、ご回答ありがとうございました。
「サウジ人の横柄さ(命令ばかりするとの)に文句を言いながらも、かいがいしく働いています」…実はこれ=横柄さがアラブ世界では、人を使うコツではないかしらと、こっそり考えています。

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