2007年04月17日

急速に進む個人情報管理社会

英国から

 大ロンドン圏の地下鉄やバスなどの交通機関では、オイスターカード(前払いカード)が普及している。現金で払えば、地下鉄では一駅乗っても四ポンド(約九百二十円)、バスでは一回で二ポンド(約四百六十円)という世界一高い法外な料金を取られるため、ほとんどの人が現金の場合の半分の料金で済むこのカードを使用している。

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 先日、キャッシュカードを使って地下鉄駅の自動販売機に二十ポンドを払い込み、自分のオイスターカードの残額料を補充した際に操作を誤り、二重払いしたような気がしたので、後で駅職員に自分のオイスターカードの記録を聞いてみた。すると、二重払いにはなっていなかったものの、利用記録明細書にはいつどの駅からどの駅まで乗り、いくら支払ったかなどの行動の軌跡がすべて記録されていて、少々驚いた。これでは、自分の行動が終始監視されているのも同然ではないか。

 英国では現在、約四百二十万台もの監視カメラが街頭やオフィス、地下鉄やバスなどの公共交通機関の車内に設置されており、外出すれば必ず何台かのカメラに自分の姿が撮られているのが普通だ。これに加えて、スピード違反などの軽犯罪でも指紋やDNAデータが採取され始めているし、学校では給食の際に指紋読み取り機で生徒の本人確認をする所も現れている。

 来年からは、バイオメトリック(生体認証)の国民身分証明(ID)カードが導入されることにもなっており、個人情報の管理が急速に進んでいる。まさに、ジョージ・オーウェルの小説「一九八四年」で描かれたようなサーベイランス(監視)社会が現実に訪れつつある。

(G)

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sekai_no_1 at 08:32│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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