2007年05月12日

財閥会長のあだ討ち

韓国から

 日本では「子供のけんかに親は口を出さない」とよく言うが、韓国では十大財閥の一つハンファ・グループの金升淵会長が、けんかで負傷した息子の“あだ討ち”を派手にやり過ぎて警察ざたとなり、マスコミが連日のように事件の続報を伝えている。

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 事の発端は、ソウル市内のカラオケ店で金会長の二男がナイトクラブ従業員らとけんかになり、顔に大けがをして帰宅したこと。事情を知った金会長はボディーガードらを引き連れ、自らも鉄パイプを手に仕返しに乗り込み、相手側を監禁したり暴行を加え、暴力団まで動員した……。容疑を否認する本人や関係者の供述をよそに、ついに逮捕状が請求された。

 世論の反応はさまざまだ。「財閥トップという社会的地位も忘れ、何て子供じみているのか」という“公人責任論”があれば、「父親として子供を守ろうという男気は非難されるべきじゃない」との“父親愛情論”、はたまた「力にものをいわせて報復するなんて卑劣」といった“復讐(ふくしゅう)否定論”も。あるニュースキャスターなどは「財閥会長が検察ならぬ警察の取り調べを受けることに……」と皮肉交じりに語っている。

 一つ言えそうなのは、韓国人にとって財閥会長といえば、長く大金持ちの代名詞であり、雲の上のような存在だったが、今では国民も豊かになり始め、民主化が定着し、また時折、会長周辺のスキャンダルが暴露され、すっかりその権威が地に落ちてしまったということだ。

 一時は財閥の圧力を恐れた警察が事件を隠蔽(いんぺい)したり、証拠隠滅の時間を与えた疑いが浮上したが、捜査は次第に真相に近づいているようだ。かつての軍事政権時代のような力の論理、金会長が貫こうとした「強者の論理」は、もう今の韓国では通用しなくなりつつある。

(U)

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sekai_no_1 at 08:38│Comments(1)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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この記事へのコメント

1. Posted by karu   2007年05月21日 14:29
某日本の新聞を読むと、財閥ということで摘発が遅れたらしいことに反発があるそうですが、行為そのものには「一時帰国中で、父性愛がちょっと行き過ぎたんだね」と、やや同情的とか。…私には韓国の人はかなり「情」に傾いた人たちのような気がしました。親が死にかけていたも、舞台を降りない日本の歌舞伎・演劇関係者に対し、韓国だったら、きっと、舞台をさっさとすっぽかして親の元に駆けつけるのでしょうね。他人に親のことを言う時、親に敬語を使うらしいし、日韓の違い、本当にいろいろありそうですね。

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