2007年05月22日

グローバル時代の申し子

フランスから

 フランスは「エリート」という言葉を生み出した国で、エリート教育には熱心な国だ。戦後は特に教育によって階層社会を打破しようとして、エリート教育さえ受ければ、社会の上層部に入れるという制度を構築した。その頂点に立つのが、高級官僚や首相、大統領を生み出す国立行政学院(ENA)や経営者を輩出する理工科学校(ポリテクニック)だ。

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 ミッテラン、シラク両元大統領をはじめ、ジョスパン元首相、ロワイヤル大統領候補も皆、エナルク(ENA出身者)だった。ところが今度大統領になったサルコジ氏は、エナルクではない。普通の大学から弁護士を目指し、政治家に転じ、実力だけでのし上がった人物だ。それに育ちもフランス的にはいいとはいえず、サルコジ氏は上流階級の家系ではない。

 サルコジ氏が特例なのは、それだけではない。フランスではユダヤ人は首相にはなれても大統領にはなれないとのジンクスがあった。ENAをトップで卒業したユダヤ人のファビウス氏は首相だったが、サルコジ氏は母親がユダヤ系ギリシャ人だ。彼自身にユダヤ人の意識がなくとも、ユダヤの血が流れているのは明確だ。

 特例はほかにもある。サルコジ氏の父親は、ハンガリーの小貴族だった。つまり、サルコジ氏自身は移民二世で、フランス人の血をたどれる人間ではない。

 過去との決別を掲げて登場したサルコジ氏は、日本の自動車メーカー、日産を救ったゴーン氏と共通する部分もありそうだ。ゴーン氏はフランスで教育を受け、フランス・ルノーの社長だが、純粋なレバノン人で地中海の大商人フェニキア人の血を引く。つまり、今の時代は、人間そのものがグローバル化していることが、救世主の条件なのかもしれない。

(A)

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sekai_no_1 at 08:21│Comments(4)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by もぶ   2007年05月22日 09:39
ゴーン氏は別に日産を救ってません。
ゴーン氏がしたことはリストラと会社の資産(土地や工場)を売り払っただけです
2. Posted by ロンドン   2007年05月22日 11:10
ミッテランはエナルクではない
第五共和制のエナルクといえばまずジスカールでしょう
そもそもENAは戦後設立されたもの
3. Posted by karu   2007年05月29日 01:34
サルコジ氏選出の結果がどうでるかはともかく、フランスも転換期に入ったということかな? これまでのやり方ではやっていけなくなった、とか? そのうち「エリートがなんぼのもんじゃい!」という考えが出てくるのか?
福祉に重点を置いたロワイヤル氏より、自助努力を求めるようなサルコジ氏が、アフリカからの移民にも支持された、とかBBCできき、興味深かったです。
4. Posted by 雄♂   2007年07月02日 20:22
パリ大学卒の弁護士って十分エリート。
ENAなどの王道は歩んでないってだけ。

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