2007年06月08日

社会に対応できぬ宗教令

エジプトにて

 イスラム教スンニ派の最高学府アズハル大学のエザット・アティヤ教授が最近発したあるファトワ(宗教令)が五月、エジプト議会内や街頭で論議を呼び、結局、撤回された。

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 ファトワの内容は、車や事務所、家などで、男女二人だけでいるための条件は、男性はその女性の乳房に五回以上キスし、そのことを公に文書化してさるところに届ける、というもの。

 イスラム教では家族以外の男女が二人だけで、閉め切った部屋や車中にいることは禁じられている。仕事などの必要上、男女二人きりにならざるを得ない状況に置かれた者同士の要望に応えるべく、思案の結果出されたファトワとみられる。

 文書化して届ける必要性を強調していることから、実施困難を見越して、男女二人だけの同室滞在を禁じる意図があったと考えられるが、ファトワを利用して、男性が女性に関係を迫り、男女関係の乱れを促す可能性もあり得る。イスラム教根本主義組織ムスリム同胞団系の議員らが中心となって問題視し、五十人の議員が議論した。議員らは、このファトワは、性関係を増加させ、二人を神の言葉ではなく、性に従属させる結果になるとして懸念を表明した。

 イスラム教では、コーランなどの聖典に書かれていない事象に対し、ファトワという形で解釈を示してきたが、時代の進展が急速な現代、カバーし切れなくなっているようだ。

(S・カイロ在住)

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この記事へのコメント
エジプトの某英字新聞に、「結婚前に処女を失った女性の、処女膜再生手術はハラール(宗教的に許される)である」というファトワが物議をかもした、というニュースを見ました。「神は男には童貞を示す印を与えなかったのだから」という理屈らしいです。あっ、男女同権っぽい考えだなあ、と思ったのですが、ちょっと違和感があったのは、「神が云々」という視点だけで、当たり前なんですが、社会・道徳問題としての視点がないような気がします。
一方、エジプト社会に議論が起こって皆が話し合う、というのはいいことだと思うのですが、結局は、保守的な考えに戻ろうとするのでは?という気もします。一般化はいけませんが、エジプト人も、「世間の目をとても気にし、醜い事実は、存在しないかのように扱うか、「名誉殺人」のように事実(原因ではなく)を存在しないようにするところがあると感じています…。
Posted by かもめ at 2007年06月08日 15:54
「神が云々」との視点しかないのには、私も驚きました。良く言えば宗教的に純粋なのですが、悪く言えば自己責任が無く、その結果自由になることが恐ろしくなる、ある意味では思考停止した、子供、の次元とも見れるわけで、アラブ・イスラム地域が、経済的(石油の豊富な湾岸諸国を除いて)にも政治的にも文化的にも科学的にもかなり遅れている原因がそういう発想にあるように思うこともあります。
Posted by S at 2007年06月18日 22:15