2007年06月15日

厳しい学校事情

フィリピンから

 フィリピンでは雨期の到来とともに長い夏休みが終わり、新学期の季節がやってきた。必ずこの時期に話題になるのが教育をめぐる数々の問題点だ。

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 公立学校で最も深刻化しているのが教室不足だ。毎年約2%の割合で増え続ける人口に学校の拡張が追いつかない。一クラスの人数は四十五人というのが教育省の指針だが、実際は六十人以上がすし詰めになっているところも珍しくないという。

 人口が集中する首都圏では、教室不足を補うためほとんどの学校で二部制で授業を行っている。日没後に帰宅する生徒も多く、新入生が増えるこの時期には児童が犯罪に巻き込まれないよう、警察が学校周辺のパトロールを強化する。

 生徒数の増加で教師への負担も増大し続けている。特に今年は新学期前に中間選挙が行われ、集計作業に教師たちが動員されたが、少ない手当に加え重労働と不満が噴出し、待遇改善を求める声も強まっている。

 これに追い打ちを掛けるように教材も足りておらず、何人もの生徒が一冊の教科書を共有することも珍しくない。これだけあらゆるものが不足していては、生徒が授業に集中できるはずもなく、公立学校ではまともな教育を受けられないという認識が広まっている。

 教育省の発表によれば、小学校を卒業できる生徒の割合は全体の約六割、高校を卒業できるのは約四割と、教育環境の悪化や貧困問題による中退者の数は増大し続けている。

 フィリピンは人材輸出で成り立っている出稼ぎ大国なだけに、教育改革はもっとも重要な課題だと感じる。経済成長を強調するアロヨ大統領には、残りの任期で本格的な教育改革に着手してほしい、というのが国民の願いだ。

(F)

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