2007年07月06日

無理難題

米国から

 ワシントンDCの現職判事が行きつけのクリーニング屋に言い掛かりを付け、賠償金として五百四十万〓を要求した「ズボン紛失裁判」。このばかばかしい訴訟は、日本でも報じられたため、ご存じの方も多いと思う。二年間の係争の果て、先月二十五日にこの訴えは退けられたが、この国ではこれほどではないにしても、ちょっとした過失が元で訴えられるケースは後を絶たない。

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 日本でも「米国は訴訟社会」という認識が一般的だろう。ハリウッド映画などでも一時、訴訟を題材にしたものがあふれていた。しかし、「実際のところはどう」と聞かれると、記者の周りで裁判が起こったという話はほとんどない。訳知りの友人によると、訴訟を起こすタイプの人間というのは決まっていて、次から次へと裁判ざたに持ち込むのだそうだ。

 やはり、日本人と同じで米国市民の大半は「普通の人」で、民事訴訟などで「被告」にも「原告」にもなりたくないと思っているらしい。ただ、訴訟を起こすタイプは太古の律法「目には目を。歯には歯を」を金科玉条にしているようで、いったんこじれるとどうにもならない。相手をたたきのめすまでやめない。一介のクリーニング屋に無理難題を突き付けたワシントンの現職判事などはそのよい例だ。

 しかし、裁判に伴う社会制度の改善や訴訟防止に向けた企業努力などを見ると、必ずしもこの種の「ファイティングスピリット」が「悪」とは言い切れない(この判事の一件は別だが)。ここ数年、ファストフード業界で見られる健康志向にしても、消費者から訴えられることを恐れた企業が対策を講じてのこと。

 「毒をもって毒を制す」ではないが、無理難題も時には役に立つ。とはいえ、どう転がっても、無理難題を突き付けられる側に立ちたくはない。

(N)

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この記事へのコメント

1. Posted by karu   2007年07月15日 03:03
こんな人が現職の判事。どういう裁判をしているのか、興味ありますね。
テクニカルなことに拘って、本来、訴訟や法が何のためにあるのか、忘れてるのでは。税金の無駄遣いもいいところ。罷免しろってクレームが来ないんでしょうか?

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