2007年07月07日

オリンピックと政治家

オーストリアから

 グアテマラ市で四日開催された国際オリンピック委員会(IOC)総会で二〇一四年冬季五輪開催地にロシアのソチ市が選出された。国際スポーツの大祭典というべきオリンピック大会の誘致はそれを支援する政治家にどのような影響を与えるだろうか。総会にはザルツブルク市を抱えるオーストリアのグーゼンバウアー首相、韓国から盧武鉉大統領、そしてロシアのプーチン大統領が参加した。

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 ザルツブルクが勝利していた場合、グーゼンバウアー首相の政治基盤は強化されたであろう。連立政権を組む国民党から常に圧力を受け、与党・社会民主党内からも強い不満の声に直面してきた首相にとって、冬季五輪開催決定は自身の政治基盤を強固にするウルトラCとなったはずだ。ザルツブルクが第一回投票で敗北したことで、首相の夢も消えていった。

 一方、韓国の盧大統領の場合、平昌(ピョンチャン)が冬季五輪大会の開催地に選出されていたならば、低迷気味の大統領の人気は回復し、その勢いで年末に実施予定の大統領選で自身の息の掛かった候補者を後継者に選出させる道が開かれたはずだ。平昌の惜敗で大統領に残された最後の政治カードは北朝鮮最高指導者・金正日労働党総書記との南北首脳会談の開催だけとなった。

 他方、勝利者プーチン大統領の場合、その行く手は大きく開かれた。三十四年ぶりにロシアに五輪を誘致した大統領はロシアの英雄となり、さらに人気が上昇することは必至だ。ただし、プーチン大統領は三選を禁止する憲法を改正してまで政権にはこだわらないだろう。三選で欧米から独裁政権の批判を受けるより、一二年の大統領選に再出馬する方が賢明だからだ。一二年の大統領選に勝利して、一四年のソチ冬季五輪大会を主導するといったシナリオが最も現実的だ。いずれにしても、欧米諸国は当分はプーチン・ロシアと付き合いを強いられることになるだろう。

(O)

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sekai_no_1 at 08:40│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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