2007年07月17日

宗教間の相互理解が切実問題

英国から

 英国内では二年前のロンドン同時テロ事件を契機に、イスラム系住民の若者たちが過激主義に走らないようにするため、各地域でインターフェース(諸宗教の間の相互理解)活動を進めている。

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 今月初め、筆者が住んでいるロンドン西部のヒリンドンバラー(バラーは東京都の区に相当)でも、地元自治体が音頭を取ってキリスト教会やイスラム団体、ヒンズー教、ユダヤ教などの各宗教団体からの代表者ら約七十人を集めて「インターフェース・ネットワーク」の発足会議が行われた。

 グラスゴー空港で四輪駆動のジープ車が突入炎上するテロ事件が起きた後だっただけに、質疑の多くは演壇に座ったパネリストの中でイスラム代表のムフティ(宗教指導者)に集中しがちだった。

 「イスラム教徒はテロリストの犯罪行為を非難する。英国は多元的社会であり、ムスリムもその一部だ。他のコミュニティーと相互理解を進めて共通性を見いだすことができると思う」とムフティは開口一番に語った。

 ヒリンドン地区内の南部には欧州最大の国際空港であるヒースロー空港があり、その周辺には難民も含めて多くのマイノリティーの人々が居住していて、空港施設を狙ったテロ事件が起きる危険性が高い。今回の宗教者たちのネットワークづくりの真の狙いも、そうしたテロ事件を生み出す過激主義の温床を断つことにあるようだ。

 ただ、同会議は上からの呼び掛けで発足したものであり、参加した宗教者たちの横のつながりや交流が見られないのは残念だった。

(G)

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sekai_no_1 at 08:42│Comments(1)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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この記事へのコメント

1. Posted by karu   2007年07月20日 18:22
宗教間相互の対話でなく、一方通行の状態?
現状は、なぜムスリムに過激な者が多いのだ?イスラムは暴力をどう見ている?と、他の宗教家達が、疑問を解きたい段階では?
イスラムの教え以上に、イスラム宗教家社会の構造を知らないと理解できないことも多いかと。 キリスト教カトリックでは、ローマ法王が頂点に立ちますが、イスラムでは、各国に宗教指導者の長はいても、すべてのイスラム国家の宗教指導者の長はいないし。宗派対立も激しいし。宗教指導者の法解釈がさまざまで、ファトワを出しても、クレームがつくと引っ込めるとか(中東担当の記者の方の記事にあった)、庶民も「今の宗教指導者は政治家に迎合している」と、イスラムの宗教指導者の権威がないのでは?イスラムの宗教指導者と信徒との乖離があると思います。だから、宗教指導者が集まって「イスラムは暴力を否定する」と言っても、何もならない気が…。

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