2007年08月20日

読書キャンペーン

エジプトから

 エジプトの首都カイロをはじめ、国中の至る所の街頭の目立つ所に、横数十センチ、縦一メートル余りの幟(のぼり)がはためいている。これは、全国民に「読書を勧める」運動のためのものだ。

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 このキャンペーンの先頭に立っているのは、スーザン・ムバラク大統領夫人。夫人は、アメリカン大学カイロ校を卒業した洗練された感覚の持ち主で、女性の社会進出や地位向上などにも多大な貢献をしている。

 エジプト人が読書している姿を目にすることはほとんどない。電車の中でもバスの中でも、誰一人新聞すら持っていない。たまに熱心に本を読んでいる人を見掛けると、イスラム教の聖典「コーラン」を読んでいる。ラマダン(断食月)には、この手の人々が急増する。

 カイロ市内の本屋はとても貧弱で、日本の地方都市の一般的な本屋に比較してもかなり劣る規模。そもそも本の種類があまりに少ない。さらに驚くのは、イスラム教を宣伝する本ばかりがやたらに多いことだ。

 例えば、「イスラム教はいかに女性の権利を守っているか」などの本がズラリと並ぶ。イスラム世界が女性の権利を極端に制限している姿をつぶさに見ている人々からしたら、「うそもいいかげんにしたら!」と言いたくなるものばかりだ。

 エジプトをはじめとしたアラブ・イスラム諸国はあまりにイスラム教支配が長かったため、イスラム教以外の知識や思想を得る機会に恵まれず、思想・宗教的には「井の中の蛙」だった。

 大統領夫人の賢明なキャンペーンが成功して、エジプト人が国際的な視野を広げ、国際社会と共に生きる開かれた国民性を身に付けることを望みたい。それがアラブ社会全体に波及し、独善的なテロリストやイスラム教徒の減少につながることを強く望みたい。

(S)

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この記事へのコメント

1. Posted by かもめ   2007年08月28日 21:59
カイロに住んでいますが、確かにバスや地下鉄の中で新聞を読む人はあまり見かけませんね。でも、お店などでは、店主が客のいない時に新聞を読んだりしているのを見ることもあります。数は多くないかもしれませんが。
また、本屋の規模は小さいですが、カイロ市内に相当な数の本屋があるのでは、と思いますが、どうでしょうか。タハリール広場近くでは、道端に新聞・雑誌・本を売っています。置いてる本は、イスラム関係の物のほか、イラクやアメリカなど国際政治を論じた本、サダトの伝記、自己実現や人間関係の本、美容・健康、語学、子供用漫画、アガサクリスティーやダンブラウン(ダヴィンチコードの著者)の翻訳等、結構いろいろあります。でも、20分ぐらいそこにいましたが、本を買う人を見かけなかったですね。
2. Posted by かもめ   2007年08月28日 22:17
スーザン・ムバラク夫人のお声にもかかわらず、読書キャンペーンに効き目があるのか疑問です。まず、親が読まない、子供に読んで聞かせてあげる、ということが少ないのではないかと思います。学校でも、感想文を書かせたり図書館利用者のトップ10とか、日本でおなじみの、読書推進運動はしていないように思います。 
背景の一部に、貧しさだけでなく、衛星放送やインターネット利用が一挙に広まりつつあり、本に取って代わったたこと、世界的には、深く味わうより、必要な情報を効率よく切り取ってくる技術が必要な時代だから?
でも不思議なのは、毎月、新しい本が本屋のウインドウに出てることです。エジプト人は本を書き、レバノン人が出版し、イラク人が読む、とか効きましたが、書く人が多いのに、読む人が少ないって…? 単なる印象ではなく事実だとすれば、不思議ですね。

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