2007年08月31日

深夜のノック

中国から

 中越国境の憑祥(ピンシャン)で宿を取った。翌日、ベトナム入りを予定していた。

★ 続きを読む前に、ご協力お願いします! ⇒ 人気blogランキングへ


 旅の疲れでぐっすり寝込んでいた、草木も眠る丑(うし)三つ時(午前二時ごろ)。突然、ホテルの廊下ににぎやかな気配を感じたと思ったら、ドアを激しくノックする。火事でも起こったかと貴重品を納めたバッグを引き寄せるが、「コンアン」だと叫び、「開けろ」とかなり高圧的だ。

 しばらく無視することにする。他の部屋は次々にドアを開けている。窓の外を見ると、公安の名前が入った車両が止まってもいた。泥棒ではないようだから開けることにする。

 少々、手こずらされてムッとした中年の公安警察が部屋に入ってきた。

 しかし、部屋を一瞥(いちべつ)するなり、さっさと退出。せっかく起きたのに、あっけない幕切れだった。付き添っていたホテルのマネジャーにこっそり聞いてみた。

 「何事なんだ。売春婦狩りでもやっているのか」

 彼は「いや、そうではないんだ。最近、脱北者のチェックが時々あるんだ」と言う。

 来年、北京オリンピックを迎える中国は中朝国境での監視体制を強化し、脱北者の流入を抑え込んでいるとは聞いていた。さらに、最近多くなった中国を経由してのインドシナ地域への脱北者流出を国境線で防いでもいるのだ。

 公安の深夜のノックは、三千キロ離れている中国東北部の中朝国境と中越国境が、「脱北者阻止」の命令を出している北京を経由してつながっている現実を教えてくれた。

 ただ今回は、脱北者の確たる情報を得た上での捜索ではなかったようだ。ガサ入れのように定期的な業務だ。公安警察は一人だけだったが、元気の良さが印象的だった。夜行性のオオカミは夜の帳(とばり)が下りると、むっくり起きだす。公安も夜行性のオオカミに似ている。

(T)

★ これは面白い、と思った方はクリックを!! ⇒ 人気blogランキングへ

sekai_no_1 at 08:45│Comments(0)TrackBack(0)アジア 

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

電子ブック
シベリア鉄道見聞録 ウラジオストクからモスクワまで、「ロシア号」6泊7日同乗ルポ! ほか電子ブック多数!
メルマガ

このブログは、メルマガ「ワールド・ニューズ・メール」と連携しています!


Profile
世界日報社
日刊紙を発行する新聞社。世界各地に特派員を配置し、海外情勢とオピニオンにめっぽう強い。日本初の電子新聞も運営中。
QRコード
QRコード
最新コメント
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ