2007年09月04日

政治家のプライバシー

フランスから

 フランスのフランソワ・オランド社会党第一書記の新しい恋人が注目されている。その理由は、今年春の大統領選挙で注目を集めたロワイヤル候補とオランド氏の別離の原因ともなった女性だからだ。さらには、その女性とオランド氏の夏のバカンスの様子が雑誌に写真入りで掲載され、裁判になったことも拍車を掛けた。

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 政治家の私生活に立ち入った報道をしないというフランス・メディアの伝統は、この一件で揺らいでいる。結果的には掲載誌クロゼの出版元に対し、裁判所は原告のオランド氏に一万五千ユーロ(約二百四十万円)の支払いを命じたが、オランド氏が要求した雑誌の全面回収は却下された。

 この判決で、マスメディアによる政治家のプライバシー侵害の訴えは認められ、オランド氏やその他の政治家は胸をなで下ろしたと同時に、出版社側も回収をしないことで表現の自由が守られた形だ。そのため、政治家のプライベートな生活はマスコミに暴かれるリスクが完全に消えたとは言えない。

 クロゼ誌は「オランド氏の新しい伴侶(はんりょ)」というタイトルで記事と写真を掲載したわけだが、美人で知られるロワイヤル氏と別れてまで、恋に走った女性を見ようと雑誌は通常よりも売れたといわれる。どこの国でも有名人の私生活を覗(のぞ)き見したい大衆心理に変わりはないようだ。

 フランスでは過去、ミッテラン大統領(当時)に隠し子がいることが報道され、記者の質問に対して「それがどうした」と大統領が答えて話題になった。

 政治と政治家の私生活は切り離すべきだというのがフランスの伝統だが、サルコジ大統領のセシリア夫人の自由奔放な行動への報道も手伝い、その伝統は限りなく揺らぎつつあるようだ。

(A)

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sekai_no_1 at 08:23│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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