2007年09月27日
肝炎で禁煙?
彼はトルコから東に向かい、イラン、イラクを経てパキスタンに到着したころには半年がたっていた。トルコでは一泊二十ドルのゲストハウスが見つかればラッキーだったが、パキスタンでは一泊五ドル、食事は一日二ドルと切り詰めた。それでもパキスタン東部で持ち金が底を突き始めた。
とうとうペットボトルの水まで節約するようになり、生水を飲むようになった。水道水から直接、飲んでいたのだ。
最初は恐る恐るだったが、腹痛もなければ下痢もしない。長年のバックパッカー生活で体がそこまでなじんだものと自信さえ持った。
だが、すべて虚構だった。やがて特別きつい行動もしないのに、疲れがドッと出るようになった。いつも慢性的な疲労感があり、微熱も出てきた。疲れがたまると全く体が動かなくなることもあった。
ネットで調べて、肝炎だと判明。決め手は肝炎の症状に、たばこと酒を拒否するようになるとあったからだ。普通ならインド辺りでビールに体が反応していたはずだが、一滴たりとも欲しくなかった。長い間、イスラム圏を旅して禁酒生活を余儀なくされたが、禁断症状は全くなくなっていた。
パキスタンなど南アジアでは、下水が完備されている所は極めて少ない。ほとんど垂れ流しと言っていいほどだ。そうした衛生環境では、上水といえども管のひび割れなどから汚水が入り込み、水は汚染される。水道水をそのまま飲めば、肝炎にかかるリスクが発生することから、防ぐには最低、煮沸する必要があった。若さを過信して、その基本的安全対策を怠った付けを払う羽目になったのだ。
ただ「たばこをやめるのには肝炎はいい機会になる」と彼は笑った。
(T)
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とうとうペットボトルの水まで節約するようになり、生水を飲むようになった。水道水から直接、飲んでいたのだ。
最初は恐る恐るだったが、腹痛もなければ下痢もしない。長年のバックパッカー生活で体がそこまでなじんだものと自信さえ持った。
だが、すべて虚構だった。やがて特別きつい行動もしないのに、疲れがドッと出るようになった。いつも慢性的な疲労感があり、微熱も出てきた。疲れがたまると全く体が動かなくなることもあった。
ネットで調べて、肝炎だと判明。決め手は肝炎の症状に、たばこと酒を拒否するようになるとあったからだ。普通ならインド辺りでビールに体が反応していたはずだが、一滴たりとも欲しくなかった。長い間、イスラム圏を旅して禁酒生活を余儀なくされたが、禁断症状は全くなくなっていた。
パキスタンなど南アジアでは、下水が完備されている所は極めて少ない。ほとんど垂れ流しと言っていいほどだ。そうした衛生環境では、上水といえども管のひび割れなどから汚水が入り込み、水は汚染される。水道水をそのまま飲めば、肝炎にかかるリスクが発生することから、防ぐには最低、煮沸する必要があった。若さを過信して、その基本的安全対策を怠った付けを払う羽目になったのだ。
ただ「たばこをやめるのには肝炎はいい機会になる」と彼は笑った。
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