2007年10月06日

二代目の悩み

韓国から

 いつの世、どこの国でも、偉大な父や創業者を持つ二代目は苦しいものだ。いつも初代と比較され、初代を超えるのは至難の業で、下手をすれば引き継いだ財産を食いつぶしてしまう。思えば、大変、損な役回りだ。

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 七年前に南北首脳会談を実現させて、ノーベル平和賞まで受賞した金大中前大統領の後釜となった盧武鉉大統領も、そんな二代目だったのかもしれない。

 金前大統領の敷いた対北朝鮮政策(太陽政策)に従って、南北関係のさらなる発展を実現しようとしたが、北朝鮮の核問題がネックとなって思うように進まない。年末の大統領選挙で与党候補が勝利する見通しも立っていない。

 こんな中で、やっと金正日総書記との首脳会談が実現した。盧大統領は陸路でソウル―平壌を往復し、南北を分かつ軍事境界線(MDL)前で車を降りて、韓国大統領として初めてMDLを歩いて越えた。

 盧大統領が歩いた道路は、韓国と開城工業団地を結ぶ通勤バスやトラックが毎日往来しており、そのMDLはもはや、決して「禁断の線」ではない。それでも、歩いて越えたのは、金前大統領を踏み越えて、自ら新しい南北関係の地平を開きたいという意思の表出ではなかったか。

 思えば、金総書記も二代目だが、比較的、成功した部類に属する。だが、金総書記にも悩みがある。押し寄せる国際化の波の中で、三代目のみならず、国家の行く末すら楽観できないという、深刻な悩みだ。

 盧大統領は帰国後、「午後になると(金総書記と)話が通じた」と語ったが、こんな背景が二人をより近づけたのかもしれない。

(T)

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sekai_no_1 at 07:10│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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