2007年10月19日

少ない母乳での子育て

フィリピンから

 フィリピンでは「母乳一斉授乳」という、日本では聞き慣れないギネス記録に挑戦する催しが盛んに行われている。これは、お母さんたちに赤ちゃんを母乳で育てることの大切さを広める啓蒙(けいもう)活動も兼ねている。

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 この国では、経済的に苦しいにもかかわらず、粉ミルクで子供を育てる家庭が極めて多い。一般庶民にとって粉ミルクは安い買い物ではないが、まるで子供の頭が良くなるかのようなテレビコマーシャルの影響で、母乳よりも粉ミルクの方が優れているという誤ったイメージが定着してしまっている。

 出産直後から粉ミルクを与える母親も少なくなく、母乳で育てる母親は全体の1%以下とも言われている。

 特に貧しい地域では、上下水道の問題で水が汚染されていることも多く、哺乳(ほにゅう)瓶が適切に殺菌されないなど、粉ミルクを与える過程で下痢などの病気に掛かり、乳幼児の死亡率を上げているというデータもある。

 比厚生省は、母乳による子育てを推進する非政府組織(NGO)などと協力しながら、母乳による育児を広める啓蒙活動を積極的に行っている。母乳一斉授乳のギネス記録への挑戦はその活動の一環だ。

 世界保健機構(WHO)が中心となり、過剰な粉ミルクの宣伝を規制する動きも出ているが、国内では業界の強い反発により粉ミルクの広告を禁じる法案が覆されるなど、完全規制にはまだ至っていない。

 子だくさんのベテランお母さんが多いフィリピンでは、てっきり母乳による子育てが主流だと思い込んでいただけに、繰り返し流されるテレビコマーシャルの影響は実に大きいと感じた。

(F)

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sekai_no_1 at 09:27│Comments(0)TrackBack(0)アジア 

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