2007年10月25日

厳し過ぎる?「ゼロトレランス」

米国から

 わずかでも校則に反すれば、生徒に厳しい処分が下される「ゼロトレランス(不寛容)」教育。このスパルタ式の生徒指導方針は一九九〇年代後半、当時のクリントン大統領の肝いりで、米国各地で導入され、子供たちの規範意識育成に一役買ったことで知られる。今も、大体の公立学校でこの方針が採られているが、その罰則適用は低学年にも情け容赦ない。

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 最近も、ニュージャージー州アトランティックシティーに通う小学二年生の男児が、ゼロトレランスの教育方針で一日間の停学処分を受けた。これは、この児童が銃を持った人物とそれを突き付けられた人物を落書きした紙を、友達に渡したためだ。

 銃を持った人物には「僕」、突き付けられた人物にはその友達の名前が書かれていたため、これを見た親が激怒。学校に通報し、男子児童は厳重に注意された。児童の親は必死に弁明したが、聞き入れられず、結局停学になってしまった。

 この出来事が地元紙によって報道されると、一部からは「やり過ぎ」「過剰反応」「極端な管理教育」という声も出た。記者も知り合いの中学教諭に感想を聞いてみたら、「停学処分は当たり前」との答え。「こういうことをする子供はモラルが育っていない。限度を超えた場合は厳しく接しないと、どんどん崩れていく」そうだ。

 この教師によると、クラスメートを殺す詩や歌を作ったり、人種差別発言を繰り返す子供たちは例外なく長期の出席停止や退学など、厳しい処分を受ける。しかし、こうした処分を受けても、周りに適切な助言や指導を与える大人がいないと「逆効果になる」。「最近は、ただ厳しいだけ。問題の生徒に対し、表面的な処理をしているだけの教師も少なくない」。徳育はマニュアル通りにいかないということか。

(N)

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