2007年11月05日

国民に信用されない警察官

エジプトから

 エジプトでは、一部の人々を除き、警察官が全般的に嫌われ、あるいは軽蔑(けいべつ)されている。その主な理由は、窃盗や強盗など市民が直面している事件の解決に不真面目(ふまじめ)なことや、賄賂(わいろ)を要求すること、いたずらに権威を振るうことなどだ。

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 つい最近、友人の車の後部が大破していた。どうやらゴミ収集車がバックしてぶつけた後、知らん顔をして逃亡したらしい。地域の長老やバワブ(門番)らを呼んで事情を聞き警察への通報を依頼したが、長老も集まった人々も一様に、それは無駄だと言う。はなから警察を信じていない。

 運転免許取得時、身体検査票は実際の検査をしないで書き込み、賄賂を要求する。警察署や消防署沿いの公の路上を一般車に駐車させて駐車料金を請求する。交通整理の振りをして駐車をさせ、手を出して料金を請求するなど、警察官による公私混同の所作が日常の中で平然と行われている。上部が賄賂体質に染まっているので、下の者までが賄賂を公然と要求しているのだ、と長老は説明する。

 長老は、当て逃げされた友人に、こういう時はどう考えるべきかを諭していた。自分が何もしないのにこういうことが起こったのだから、それは神からの裁きと考えなさいと。さらに、事故に遭って負傷や死亡するよりもずっと軽く済んだのだから神に感謝しなさいと。

 物事を平穏に済ませる考え方として良さそうだが、物事を曖昧(あいまい)にすることによって、正邪を正さず進歩発展を阻む考え方にもなりかねない。イスラム教徒がよく口にする「インシャーアラー(すべては神の御心のままに)」の実体編というところか。

(S)

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この記事へのコメント

1. Posted by かもめ   2007年11月17日 16:31
そうですね、汽車やフェリーの火災が起こると、その時だけ大騒ぎするんだけれど、その後どうなったのか、よくわからないです。
で、この国の人、、車ぶつけてへこんでも、そのくらいでは問題にしないことが多い気もします。日常茶飯事なので。でも、金持ち階級は、やはり問題にするのでしょうか。

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