2007年12月08日

静かで重たい海

韓国から

 黄海上に浮かぶ大延坪島に行く機会があり、島の北側にある海上の南北軍事境界線、北方限界線(NLL)を初めて見た。見た、といっても海上に境界線があるはずがないから、「恐らくあの辺り」という海域を眺めるしかない。それでも目の当たりにすると、妙に厳粛な気持ちになる。

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 驚いたのは、その静けさだ。監視所跡がある岬から目の前に広がる海を見入ったが、波の音以外には何も聞こえない。NLLのすぐ北側にある二つの小島は目と鼻の先で、地元の人は、「あそこには北朝鮮の兵士が潜んでいると聞いた」と言っていた。

 NLLの北側の海域では、数隻の北朝鮮の船がゆっくり航行している。その先には、北朝鮮の陸地が肉眼でもはっきり見える。特に早朝と夕暮れ時には、くっきりと輪郭を現す。大延坪島とNLLの海域、北朝鮮の船と陸地……。カメラのシャッターを押すと、一つの風景として納まる。

 北側の浜辺は、夏場なら「北朝鮮が見える海水浴場」として本土からの客が訪れるが、冬場は人影もまばら。景色のいい岬に来て、ゴルフのショットの練習をする人の姿もみられるが、吹きさらしのせいか冷気を吹き付けてくる風を受け、その場にじっと立っているのがかなりしんどい。

 休戦体制の象徴と言える板門店と同じように、ここも半世紀以上にわたって南北を分断してきた現場だ。一見静かだが、分断が固定化してしまった重たさもある。鉄道が休戦ラインをまたいで往来し、北朝鮮の観光地に韓国人が足を運ぶのは、確かに「融和」かもしれないが、大延坪島から見た海は、厳しい現実をひしひしと伝えていた。

(U)

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sekai_no_1 at 08:20│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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