2007年12月24日

遅刻する国

ロシアから

 「ロシア経済が盛り上がっているらしい」

 日本企業A社の島部長(仮名)は、その実態を調査すべくモスクワに飛んだ。エリートの彼には時間がないため、観光はなし。二泊三日の滞在中、ロシア企業十社の幹部と会う。

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 島部長は、エクセルで分単位のスケジュールを作成。事前にすべての会社と話をつけた。モスクワ各地に点在している会社を回るのは時間がもったいないので、ホテルに順番に来てもらう。ところが……。

 一日目、朝九時にロシア企業B社の部長が、ホテルのロビーに来ることになっている。島部長は、八時五十分に下におりた。

 九時、B社の部長は来ない。

 九時五分、彼は我慢できず電話をかける。

 B社部長は英語で「ミスター島、渋滞にはまってるんです!」。島部長が「いつ来られるんですか?」と聞くと、「十五分後に来ます!」と自信たっぷりに答えた。

 九時二十分、彼は来ない。

 九時四十分、まだ来ない。

 日本では温厚で通っている島部長も、胃がキリキリ痛む。

 十時十分、ようやく到着した。満面の笑顔で握手を求めるB社部長。島部長もつられて、作り笑顔で右手を出した。

 島部長には心配事があった。次のC社部長は、十一時にホテルに来るのだ。彼は正直に、B社部長にそのことを打ち明けた。すると、「大丈夫。C社部長も必ず遅れますから、彼が来るまで話しましょう」。

 さすがロシア人である。予想通り渋滞にはまったC社部長は、十二時十五分にやってきた。そして、D社部長もE社部長も遅れたので、島部長は結局すべての人とゆっくり話すことができたのだ。

 「ロシア人にとって、時間はないがごとしである」

 島部長は今回の訪ロで、ロシア理解の第一歩を踏み出した。

(Y)

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sekai_no_1 at 08:32│Comments(1)TrackBack(0)ロシア 

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この記事へのコメント

1. Posted by karu   2008年01月05日 20:37
島部長さんは、いささか準備不足ではないでしょうか。相手の国の文化・習慣を事前に調べておくことも、商談に大切だと思うのですが。激烈な競争で、時間に追われ、そこまで調べる余裕がなかったのでしょうか。
でも、相手の人、皆が一律に遅れてくるのは笑えました。

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