2008年01月03日

寂しい年末

エジプトから

 昨年の十二月は、今までになく寂しい期間に思えた。例年、クリスマスはごく限られた人々で祝われることから、街の雰囲気をにぎやかにするところまではいかないのが現実で、それは例年と同じだ。また、エジプトはイスラム暦に従って一連の行事が行われるので、年初めだからといって特別なことをするわけではない。これも例年と同じだ。

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 ただ、昨年がちょっと例年と違ったのは、旧約聖書に登場する預言者アブラハムが、神に最愛の息子イサク(イスラム教では イシマエルとなっている)をささげる信仰を示し、“信仰の祖”と呼ばれるようになった約四千年も前の事件を記念して毎年行われる「犠牲祭」の期間が十二月十九日から四日間(そのための休日は十八日から五日間)あったことだ。

 このことは、十二月半ばにまず犠牲祭が訪れて、イスラム教徒の家族のにぎわいを尻目に寂しく過ごす結果を生み、二十四日と二十五日に向けて徐々に高まるはずのクリスマス期間は、街がひっそりとして静まっている故に寂しさを一層感じさせる結果を生み、さらには、二十八ないし二十九日ごろからお正月を迎えるための準備に慌ただしくなるはずの期間が、何の刺激もない期間として過ぎ去る結果を生むことから、日本ではいろんな意味で最も高まるべき期間が、寂しさで埋め尽くされる期間として、しかも三週間以上も長く続くからだ。

 もちろん、エジプト人の友人から夕食に招待されたり、教会に誘われたりすることはあるのだが、毎日というわけではない。

 さらに、年越しの雰囲気の中で、新年を迎えて新たな決意をするという環境が、これも周りには皆無なことから、何とも締まりがない新年となってしまう。こういう時は覚悟を決めて、読書三昧(ざんまい)の生活をするか、いっそのこと旅に出るのが一番いいのかもしれない。(S)

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