2008年01月25日

世界同時株安と格差

ブラジルから

 ブラジルには、ここ数年、高金利などを背景に世界からの投資が雪崩を打つようにやってきた。高い政策金利、成長する国内消費、バイオ燃料への注目に伴う「バイオ景気」、経済好況に伴う新規公開株への注目などがその原因だ。

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 「ブラジル発の金融恐慌が起きる」とまでいわれた一九九〇年代の後半や、八〇年代のスーパーインフレ時代に比べると隔世の感がする。

 特に、同国では近年、海外からの投資が増えた好況に巧(うま)く乗ることができた三十代の富裕層が増えており、それに伴って「ニューリッチ」という言葉がよく聞かれるようになった。

 また、ブラジル株式相場の高騰にあやかった「株長者」と言われる人たちの増加も顕著で、ここ五年の間にほぼ五倍となった株価は多くの百万長者を生み出した。

 ここ数年は、「株に投資すれば必ずもうかる」とまでいわれたほどだが、米国のサブプライムローンに端を発した株安の影響は、ブラジルにも当然のように降り掛かってきた。

 この一週間ほどで、ボペスパ指数(サンパウロ証券取引所での指数)は二割ほども下げた。ここ数年で稼いだもうけや資産をなくした投資家も多いはずだ。

 記者も、最近は元気がない友人を見ると、できるだけ株や経済の話題は避けるようにしている。しかし、株式などに投資できるブラジル人は、それだけで恵まれている世界に住んでいることは間違いない。

 ブラジル全体の人口の半分以上は貧困層に属しているともいわれるが、それだけに、ここ数年、ブラジル紙の経済紙面やテレビニュースで流されてきた経済好況や株価高騰は、まさに一握りの人たちにしか関係のない話だったことになる。

(S)

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