2008年03月01日

閣僚も“まな板のコイ”

韓国から

 ときどき訪韓する知人の日本人が、テレビで生中継された閣僚内定者の人事聴聞会を見て驚いていた。「日本にはないし、あったとしてもあそこまではやらない」というのだ。


 韓国では任命権者である大統領が閣僚を指名しても、国会の聴聞会を無事通過しなければ正式に就任することができない。聴聞会では、与野党議員から鋭い質問を浴びせられる各候補が答弁に窮する場面がしばしば見られた。

 K法相の場合、親子で兵役免除されている点が問題視された。質問した議員は「息子さん、視力の悪さと皮膚炎で免除されていますね。親子にわたる免除になるには理由が釈然としない」と怪訝(けげん)な顔をする。また俳優出身のY文化観光相は、資産の多さを指摘され、「(自分よりはるかに稼いでいる)ペ・ヨンジュンを見てくれ」と弁明したことが聴聞会で批判された。「庶民の経済感覚と懸け離れた発言」というわけだ。

 だいたいターゲットにされるのは、本人や配偶者が不動産投機をしたか否か、資産隠しの有無、息子がきちんと兵役の義務を果たしたかなど。以前なら、親が親日派であったかどうかも攻撃の対象になっていた。

 今回は、野党が不動産投機疑惑を持ち出すパターンが目立った。前政権下での不動産高騰が貧富の格差を広げたことから、庶民たちは「不動産への恨み」を持っている。この心理を巧みに利用したものだ。

 本人も知らないような資料を持ち出し、「国民の前に一点の恥部もあってはならない」と言わんばかりに釈明を求める。生中継の攻防は確かに「下手な映画よりよっぽど面白い」(知人)が、ご本人たちはさぞかし“まな板のコイ”の心境だったことだろう。

(U)

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sekai_no_1 at 08:23│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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