2008年03月10日

コプト教未婚女性の悲劇

エジプトから

 エジプトでは基本的に、子供や未婚の女性は父親か(父親が亡くなった場合)兄の意に従い、婚約ないしは結婚後は婚約者ないしは夫の意に絶対的に従うことになっている。イスラム教の教えも、それを補強している。

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 地方に行けば行くほどその考え方がかたくなに守られている。父親や兄が、娘や妹を本当の意味で愛し、彼女らの性格や能力を良く知り、広く大きな心で彼女らの未来を考えることができるならば、いい伝統とも言えなくはないのだが、自分の利益や打算、欲望などを中心に彼女らに干渉することになると、父親や兄による娘や妹の殺害や虐待、夫による妻への殺害や暴力、虐げなど、新聞記事をにぎわす事件に発展することになる。彼女らを私物化する思考が根強くあるからだ。

 カイロ近郊の大学で日本語を学んでいたコプト(エジプトのキリスト教)教徒の女子大生が、フランス語の観光ガイドをしている兄の命令に従い、日本語ガイドになるべく努力したのだが、何せ日本語は難しく、学べば学ぶほど絶望し、観光ガイドになる気力を無くすまでになった。ところが兄はどんなことがあっても日本語観光ガイドになるよう命令、コネと袖の下を使ってまで、旅行会社に勤務させる手はずを整えた。

 彼女は自信がなく、別の会社に就職したところ、兄は狂ったように怒り、故郷アスワンに戻るよう命令、彼女は泣く泣く連れ戻されて行った。「兄に抵抗しても、法律が自分を守ってくれない」と言い残して彼女はカイロを去った。エジプトの法律では、家族法などにイスラム法がかなり適用されているとされ、このような悲劇から抜け出そうにもできない環境圏に囲まれている。エジプトに生きる女性の中で、意識の高い人ほど悩みが深そうにも見えてくる。

(S)

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