2008年03月27日

幸か不幸か病院前の事故

タイから

 朝六時五十分、トンローの病院の前で大きな音が聞こえた。振り向くと、車道を挟んだ向かい側で、オートバイを運転していた人が、左足を軸に止め、うめいている。右足がぶらぶらしている。どうやらタクシーと衝突し、骨折した様子だ。タクシーの運転手は、すぐさま路肩に車を寄せ降りて来た。

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 が、けが人を尻目に、まずやったことは、自分の車の点検だった。バイクとぶつかったドア部分のへこみ具合をしっかりチェックしたのだ。

 相手のけがの具合がどうであれ、まずは自分の利益優先というわけだ。日本の新聞表記では、事故で骨折だと単なる負傷とは違って大けがとなる。その大けがをした相手を前に、悠々と自分の車を点検する余裕はどこから来るのか。タクシー車両のオーナーに支払わなければならない弁償金を見定めておく必要のある、余裕のない懐具合がそうさせたのかどうかは知らない。

 タイのタクシードライバーは、日本のようにタクシー会社の社員として働くシステムはなく、タクシー車両のオーナーから半日、五百バーツ(約千七百五十円)程度で借り受けて営業する準個人タクシーのようなシステムとなっている。だから事故を起こして車両が破損すると、タクシー運転手は手痛い出費を強いられる。

 このタクシー運転手を責めているのではない。大体この国では、死者を出すような大事故を起こした運転手は、現場から逃走して姿をくらますのが常だ。その点からすると小さな事故とはいえ、事故当事者としての責任を放棄せず、現場に残っただけでも、この国では評価される。この時は、救急車を呼ぶ必要もなかった。目の前が病院だったので、そのままタクシー運転手に付き添われて、病院に消えた。

 交通渋滞が常のバンコクでは、事故を起こすときは病院の前に限る。

(T)

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sekai_no_1 at 09:44│Comments(0)TrackBack(0)アジア 

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