2008年04月01日

無神論者よ、バッハを聴こう

オーストリアから

 東京から先日、頼んでいた茂木健一郎著「すべては音楽から生まれる」(PHP新書)が届いたので、イースターの休暇期間に読んだ。脳科学者の著書は、人間の一千億のニューロン(神経細胞)が脳内でシンフォニーを演奏していることを口語調で分かりやすく説明している。

★ 続きを読む前に、ご協力お願いします! ⇒ 人気blogランキングへ


 著書の中で感動した部分が二カ所ある。一つは「記憶の成長」という表現だ。記者は記憶とは年々、希薄化していくものと思っていたが、著者は「記憶の成長とは、いわば、目にみえない道路や空港のようなインフラが、脳の中に張り巡らされていく現象である。……記憶のもとになる体験が豊かであればあるほど、それをインフラとして育っていくものの可能性も大きくなる。体験にさらなる体験を重ね、人は創造的な存在となっていく」と説明している。

 もう一つは「人間が獲得したものの中で、一番の福音でもあり呪(のろ)いでもあるのは、『意味』だと思う、意味に拘泥してしまうと、生命の活動から遠ざかってしまう傾向がある」と指摘し、言葉や定義に固執すると、脳内のニューロンの活動も「喜び」につながるような生命運動とは程遠くなるというのだ。

 人間の脳が音楽を演奏しているとは驚きだ。著者は「本当の感動を知っている人は、強い」と言う。感動した実体験の数が多いほど、その人は素晴らしい音楽を脳内で流していることになる。

 最後の章で、音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」のプロデューサー、ルネ・マルタン氏との特別対談が紹介されているが、その中でマルタン氏が「無神論者の人でも、バッハの『無伴奏ソナタ』を聴けば、神というものを信じるような気持ちになるかもしれませんね」と述べている。音楽は最高の宣教師なのかもしれない。

(O)

★ これは面白い、と思った方はクリックを!! ⇒ 人気blogランキングへ

sekai_no_1 at 09:04│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

トラックバックURL

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

電子ブック
シベリア鉄道見聞録 ウラジオストクからモスクワまで、「ロシア号」6泊7日同乗ルポ! ほか電子ブック多数!
メルマガ

このブログは、メルマガ「ワールド・ニューズ・メール」と連携しています!


Profile
世界日報社
日刊紙を発行する新聞社。世界各地に特派員を配置し、海外情勢とオピニオンにめっぽう強い。日本初の電子新聞も運営中。
QRコード
QRコード
最新コメント
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ