2008年05月06日

北京五輪 左派の矛盾

フランスから

 社会党系で自ら同性愛者であることを公言するパリのドラノエ市長が、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ十四世に、パリ市の名誉市民の称号を贈った。

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 左派のドラノエ市長は、北京五輪の聖火リレーに対しても、パリ市庁舎の壁に人権のスローガンを掲げて待ち構えた。中国政府のチベットへの対応を人権侵害と断じるドラノエ市長に同調するフランスの有識者や一般市民も少なくない。

 そんなフランスで最近、ダライ・ラマ十四世を支持する仏教徒が増えている。友人のミカエル氏は、もともとはカトリック教徒だったが、今は仏教書を読みふけり、ダライ・ラマが来仏すれば、仕事を休んで集会に参加している。彼いわく「奇跡を重視するカトリックに比べ、仏教は悟りとか人間の成長を重視しているところがいい」と指摘している。

 中国国内では、フランス系スーパーの不買運動が起きるなど、北京五輪をめぐる一連の騒動は、フランスでも大きな注目を集めている。ミカエル氏は、この騒動を複雑な心境で受け止めていると言う。

 「チベットの仏教文化を中国政府が踏みにじっていることが重大な問題のはずなのに、それが人権問題にすり替えられ、宗教がかすんでいる」とミカエル氏は言う。フランスでは、左派も右派も人権問題が絡むと、コンセンサスがあって行動を共にすることが多いが、熱心な仏教徒になったミカエル氏は矛盾を感じている。

 フランスでは、左派の労働者や学生が激しい社会運動を展開した一九六〇年代後半、毛沢東主義が一世を風靡(ふうび)した。「当時、毛沢東を支持したフランス人が、今では北京五輪反対の先頭に立っている」とミカエル氏は批判する。彼は「暴力で北京五輪に反対すれば、ぼくらの負けだと思う」とも語っている。

(A)

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sekai_no_1 at 08:21│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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