2008年05月19日

イスラエルへの車の長旅

エジプトから

旅行者がエジプトからイスラエルへ行く陸路の旅は、カイロの東方四百キロのタバ検問所を通過していく以外にない。近道であるはずの地中海沿岸の都市ラファの検問所は、イスラエル・パレスチナ問題のあおりを受けて閉鎖されることが多いからだ。

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 カイロを早朝六時四十分ごろ出発して、スエズ市を通過し、ほとんど休憩なしに飛ばしてタバに着いたのは午前十一時半。検問所に入ったのが十二時。この検問所通過に何時間かかるかが興味の対象だったが、結果的には四時間十五分。エジプト側の検問所通過に一時間半、イスラエル側通過に二時間四十五分もかかったからだ。本人と車両、荷物の検査にそれだけの時間を要したのだ。

 エイラート市内で道に迷い、うろうろしているうちに、木の切り株に気付かず車を乗り上げ前部破損、休日でも開いている修理工場を探して修理するのに二時間近くもかかったことも重なり、エイラート出発夕方六時、エルサレム到着は夜の十時だった。十五時間余りの旅になった。ラファ経由であれば七、八時間で到着することを考えると、中東和平の停滞が恨めしい。

 サッカー場付近の青空駐車場に駐車していた車は、二日後見に行ったら、生卵が投げ付けられていた。翌日にはナンバープレートが折り曲げられていた。ナンバープレートがカイロで、アラビア数字が並んであることに気付いた誰かが、いたずらをしたらしい。イスラエル建国六十周年記念祝賀で高揚した気持ちが、エジプトからの車両へのちょっとした攻撃を誘発したのかも。テルアビブ間を往復した時には、カイロナンバーに気付いたイスラエルの人々は警戒気味だったのに対し、アラブ系の人々はアラビア語で話し掛けて歓迎した。

 ここでも、根深い対立の一端を垣間見ることができた。

(S)

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