2008年05月20日

イスラム理解の市民講座

英国から

 自宅近くのキリスト教会で先月から毎週一回開かれているイスラム理解の市民講座に参加している。紛争地域での和解と平和の推進を支援しているキリスト教系平和研究センターが主催している地域巡回講座で、イスラムに関する基本的な知識を学び、相互理解を進めるのが同講座の趣旨だ。

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 欧州と中東との関係は長くて深い歴史を持つ。特に近年では欧州各国でイスラム系移民が増加し、英国でも現在百六十万人以上になっている。当然、職場や学校、店頭など日常生活でイスラム系住民(ムスリム)といや応なく接さざるを得ないのが現実だ。しかし、英国人を含めて欧州人の中でイスラムの文化と宗教を偏見なく理解している人はまだ少ない。

 キリスト教徒である講師のヒューワー博士は過去二十年間、イスラム研究を行い、キリスト教とイスラムの相互理解に務めており、バーミンガムやロンドンで十週を一サイクルとした市民講座を受け持ち、今回はすでに七十七回目だという。原稿無しで二時間、イスラムの信仰観、歴史、コーランの内容、預言者マホメットの生涯などに関して、具体的な例を差し挟みながら分かりやすく話してくれるが、聴講者の中のキリスト教徒やユダヤ教徒からはどんどんと質問が出てくる。

 キリスト教徒、ムスリム、それにユダヤ教徒にとって旧約聖書は共通の経典であるため、特に神の創造論や啓示、預言者の役割などに関するテーマでは本質的な疑問が出てくる。例えば、イスラムでは神は絶対唯一無比で一切の説明を超えた存在だと言われると、父なる神を信じているキリスト教徒にとって少し違和感があるようだ。しかし、こうした自問自答の機会を与えられることが文化や宗教間の相互理解にとって最も大切な作業だと感じる。

(G)

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sekai_no_1 at 08:25│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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