2008年05月26日

秘書は重労働

ロシアから

 アンナさん(27)は、日本語ペラペラの美人である。日本企業A社で、駐在員事務所所長の秘書をしている。

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 きょうは、日本の本社から四人やって来る。ホテルが「空港まで出迎えの車を出しましょうか」とオファーしてきた。アンナさんは「お願いします」と答えた。
 数時間後、出張者から電話がくる。

 「車来てないんだけど……」
 アンナさんはホテルに電話する。反応は「車出せなんて話、聞いてません」。
 彼女は出張者に電話し、空港のタクシー会社の場所を教える。


「英語でも、通じますから」と。

 数時間後、彼らからまた電話があった。

 「ホテル、三人しか予約入ってないって言われたんだけど」
 アンナさんは、「そんなことは絶対ありません。待っていてください」といい、ホテルにクレームの電話をする。

 ホテル側は、「私たちに責任はありませんが、仕方がない。手配しましょう」と答えた。

 出張者は、二人部屋を二つ借り泊まることになった。

 しばらくすると、また電話が鳴る。

 「この部屋、でかいベッドが一つしかないんだけど。男同士一緒に寝ろってこと?」

 アンナさんは愕然(がくぜん)として、またホテルに電話する。ホテル側は、イヤイヤながら、部屋の変更に同意した。

 夕方六時がきた。アンナさんの“ごく普通の”一日が終わった。

 翌日朝七時半、出張者から電話が入る。

 「車来てないんだけど!」
 アンナさんはタクシー会社に電話する。

 「今向かっています!」と毎度同じ答え。

 アンナさんは目を閉じて、自分に質問した。

 「転職しようかしら」
 すると内なる声からすぐに回答があった。

 「どこでも同じ。どこでも同じ」
 「……そうよね」
 アンナさんは、大きくため息をつくと、家を出た。

(Y)

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sekai_no_1 at 08:48│Comments(0)TrackBack(0)ロシア 

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