2008年06月02日

高校生にはまだ早い?

エジプトから

 自由主義世界と比較し、娯楽が極端に少ないイスラム諸国の中で、ひときわ目立ち、また庶民の中にも浸透し、結婚式や各種パーティーなどでの盛り上げ役を演じているのはベリーダンス(おなかを小刻みに振る独特の踊り)だ。トルコやレバノン、シリアなどでも見られるものの、本場はエジプト。本場でこのダンスを習いたいとして日本を含む世界中から毎年、若い女性たちが集まってくる。

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 そのエジプトで最も有名なダンサーの一人のディナさんが、高校の卒業パーティーに招かれてダンスを披露したことから、批判の矢面に立たされている。

 彼女は以前にも、「通りでダンスを踊った」として批判を受けたこともあるが、美人で気さくで、優雅な踊りを披露することから人気は衰えない。それだけにやっかみも多いようだ。

 今回は、未成年の前で踊りを披露したことが槍玉(やりだま)に挙げられた。新聞を通じた彼女の弁解や状況を見る限り、議会が目くじらを立てて取り上げるほどのことはないと思うのだが、ここはイスラム教国エジプトの堅いお国柄のせいかも。

 事の次第は、私立高校の卒業委員会の生徒らが自主的に企画して、四月下旬にディナさんを招待したもので、会場は超一流のフォーシーズンホテル。本人も肌を必要以上に露出しないよう、足にも普通の衣類を着けてのわずか十分間の踊りだった。参加者は、生徒のほかに父兄が多数いて、皆楽しく盛り上がって誰もが喜んだという。

 批判した議員らは、同国のイスラム根本主義組織ムスリム同胞団系議員とみられる。イスラム指導者の中には、クラシックバレエすらも批判する人がいる。これが極端になると、女性には教育など必要ないとしたアフガニスタンのタリバン型イスラム思考となるから厄介だ。

(S)

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