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　比入国管理局の発表によれば、昨年六月から十二月までの間に入国拒否された外国人は四百人以上に上った。そのうち一番多かったのは中国人の百一人で、次に四十三人の米国人、そして三十七人の韓国人と続き、これまでワースト記録だった日本人は二十四人で四位にとどまった。

　ちなみに二〇〇六年に入国拒否を受けた日本人は四百人以上に上っており、観光客が減っていることを考慮しても極めて大幅な減少だ。

　この劇的な減少の背景には、暴力団を締め出す目的で日本人だけに実施されてきた、「入れ墨検査」の禁止が大きく影響しているようだ。最近はファッション感覚のタトゥーが若者の間で広まっていることから入国管理局は昨年に入れ墨だけで暴力団と認識するのは困難と判断。日本人への入れ墨検査を禁止にしたのだ。

　だが入れ墨で入国拒否される日本人が減る一方、空港で問題を起こし拘束される日本人は後を絶たない。最近では、マニラ空港で年配の日本人男性が荷物受け取り口におけるカートの扱い方をめぐるトラブルで、比人女性のしりをたたき逮捕されるという事件が起きた。しかもたたいた相手が州知事の娘だったことからフィリピン人の強い反発を招き、女性議員が「被害者だけでなく比人女性全体に対する侮辱」と発言するなど、比国内における日本人男性へのイメージは悪化した。

　こういう事件があるたび比人の多くは戦中の「横暴な日本兵」というイメージを思い出し、過敏に反応する傾向がある。外国人には寛容な比人だが、女性に対する暴力はどんな理由があってもご法度だということを肝に銘じておきたい。

（Ｆ）

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