2008年06月19日

思わぬ日本再発見

米国から

 日本から遠く離れて海外で暮らしていると、思わぬ「日本再発見」を体験することがよくある。

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 先日、帰米二世ヘンリー安田さんの家庭を訪ねたときのことだ。家には昔の戦国武将の鎧(よろい)や刀などが飾られると同時に、明治二十三年に発布された「教育勅語」も恭しく壁に掛けられていた。勅語は、近代日本国家の建国に当たって、道徳教育が肝要だとされた明治天皇が、時の山縣内閣に命じて起草させたものだ。

 安田さんは「朕(ちん)思うにうんぬんといった最初の言葉を除けば、現在でも通用する素晴らしい道徳的内容が盛られている」と言う。親への孝行、夫婦愛、公への奉仕、勉学奨励などの徳目が盛られているが、安田さんは今でもそらんじることができるという。

 日本では今どき教育勅語を家の壁に掛けてある所はほとんどないだろうが、海外に住む年配の日系人の間には古い日本の文化と伝統をそのまま受け継いでいるところもあり、驚くことがある。安田さんの場合は、西海岸の日系人が真珠湾攻撃後、強制収容所に送られたときに日本に居住していたために、「日本人であるために味わった苦い思い」が通常の日系二世ほどには強くない。戦後、一部の日系二世が日本的なものをすべて廃棄することに努めた時期があったのとは対照的に、日本の文化や価値観を重んじてきた。

 安田さんはこうした日本の価値観を基に五人の子供を立派に育て上げ、今夏には孫も連れて総勢十人で日本を旅行するという。

 アニメ文化は今や世界に広まる日本文化の一部となっているが、内容には日本の古来からの歴史や価値観、文化が盛られているものも多い。そんな異文化が海外の若者には魅力なのかもしれない。今後、海外からの「日本再発見」が注目されそうだ。

(M)

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