2008年06月30日

農学部志望者が激減

エジプトから

 エジプトの国営紙アルアクバルが報じたところによると、エジプトでは大学の農学部に進む高校生が近年急減している。

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 カイロ大学では一九九七年以降の十年間、農学部の卒業生が皆無だという。九九年には六人、二〇〇〇年には八人、〇一年には十一人の学生がいたが、〇二年にはわずか三人、〇三年には二人しかいなくなった。このような現象は地方のアシュート大学でも同様で、学生数はわずか七人だという。

 カイロ大学農学部のナデール・ノア教授は、「農業が世界的に重要になり、農産物が宝になりつつある時に農業を志すものがいない。全くの危機的状況と言うべきだ」と訴え、憂えている。

 エジプトが英国の統治下にあった時代は、いかに英国からの独立に寄与できるかとの視点から法学部が一番人気で、独立後は、工場や街、ダム、橋などの建設のため、工学・技術系の人気が最も高かった。

 現在は観光業の急速な伸びなどから、外国語などの文化系志望者が増加、いまや、高校生の70%が文科系志望で、理科系志望者は30%のみ。このままでは国家が衰退するとの危機感すら生まれている、という。

 ノア教授は、農学部に人気がない理由の一つは、農業に対する偏見があることだと指摘、教師に対し、農業と技術、コンピューターなどの関連をよく説明し、農学が希望のある学部・職業であることを宣伝してほしいと要望している。

 文系と理系だけに分ける方式は、理系の人しか農学を学べないことになり、このような方式を変える必要があるとも語っている。

(S)

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この記事へのコメント

1. Posted by かもめ   2008年07月06日 06:40
ノア教授のお言葉ですが、農業をやって中流程度の生活をしていけるのでしょうか。ヨーロッパが農産物の消費者になるでしょうが、買い叩かれそう。

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