2008年10月17日

北で歓迎された作曲家

韓国から

 今週、北朝鮮の平壌で「尹伊桑音楽会」が開かれ、韓国人チェリストも共演した。尹伊桑は韓国が生んだ世界的な現代音楽作曲家で、「現代音楽はちょっと苦手」という人でも、学校で教わるせいか、韓国で彼の名を知らない人は少ない。

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 戦前は日本で学び、渡欧して作品を書き始めたが、ベルリンの壁の西側にいた一九六七年、当時の朴正熙政権からスパイ嫌疑を掛けられ、死刑宣告。二年後、多くの文化人の尽力で釈放されたが、九五年に他界するまで、祖国の地に足を踏み入れることはなかった。

 軍事政権時代、反政府運動をした韓国の学生たちがよく歌ったフォークソング「朝露」のように、彼の曲も政治的な理由で長く“禁止曲”となった。事件をきっかけに民主化運動や統一運動に傾倒していったことと無関係ではない。

 ところが、というよりだからこそ、北朝鮮は早くから尹を歓迎している。西独の市民権を取得後、彼は平壌とベルリンを行ったり来たりしたというが、平壌には金日成主席からプレゼントされたという別荘があった。彼にちなんだ管弦楽団やコンサートホールもある。音楽会は毎年行われ、今年で二十七回目を数えるそうだ。

 韓国では没後、左派政権誕生も手伝って名誉回復の機運が高まり、徐々に演奏会も開かれるようになった。そして真相究明委員会が「容疑なし」と結論を下し、昨年は平壌在住の夫人が四十年ぶりに韓国里帰りを果たして、復権ムードが広がった。乱暴な言い方をすれば、尹は「韓国生まれの北朝鮮育ち」。音楽の世界に政治信条はタブーというが、死してなお南北分断に翻弄され続けている。

(U)

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sekai_no_1 at 09:18│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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