2008年12月19日

白手と両班

韓国から

 韓国では、職がなくブラブラしている人を指す言葉に「白手乾達」というのがある。乾達は仏教用語に由来して放蕩者を意味し、仏教の音楽神を「乾達婆」としたことから転じて、つかみどころがないというニュアンスも生まれた。仏教で「人生は乾達城のようだ」というのは、人生無常のことだ。

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 盧武鉉・前政権時代、ある著名な学者が「乾達政府」と揶揄して波紋を広げたことが思い出されるが、今では前の二文字・白手だけを使うことが多く、例えば移籍先を失って所属球団なしに浪人するプロ野球選手は「白手生活を強いられている」となる。

 韓国に来たてのころは、いい年をした男性が昼間から暇そうにしている姿を頻繁に見掛け、驚いたものだが、その後、儒教精神が残るこの国で、いまだに「両班」と呼ばれることをひそかに期待する人たちがいることが分かった。朝鮮王朝時代の貴族階級である両班は、現在は「働くことを嫌う人」という語感もある。

 白手には働きたくても働けないというニュアンスも含まれ、同情の余地があるが、両班は働けるのに働こうとしない怠け者を連想してしまうのは、きっと日本人だからだろう。

 世界的な金融危機の波が韓国にも押し寄せ、「IMF(国際通貨基金)危機(十年前の通貨危機)よりも深刻」という声があちこちで聞かれるようになったが、ちまたには確実に白手が増えている。

 大学院卒が就職難に直面するほどだから、白手同士の競争も激しい。

 また、どう見てもバブルとしか思えない不動産価格の上昇で一稼ぎした両班組も、最近は高級マンションの値段が下がり始め、意気消沈気味だ。白手はもちろん、両班も楽ではなくなってきた。

(U)

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sekai_no_1 at 09:42│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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