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　ところが、どの車も譲ろうとしない。譲るどころか「入れさせまい」と次々に車間距離を縮めてくる。交差点の信号待ちで、ようやく車体の先端を車と車の間に入れるのに成功したが、後ろの車がジワジワと迫ってくる。男性はついに我慢できなくなった。後ろの車に向かって大声で何かを叫び始めたのだ。

　これは韓国で車を運転する欧米人（日本人も）が経験する初歩的なカルチャーショックだと思う。ハンドルを握るとその人の性格や本性が出るといわれるが、せっかちで子供みたいに譲ろうとしない韓国人の運転マナーは、彼らの内面の一端を映し出している。

　ゴミ出しでストレスを受けることも多い。燃えるゴミ、燃えないゴミ、生ゴミの分別が徹底されず、ゴミ出しの日は道端のあちこちにゴミが散乱する光景に出くわすことになる。

　面白いのは自分の住む家が持ち家であれば分別も掃除もきちっとしているが、賃貸であればいいかげんということ。近所の主婦に言わせると、「どうせ自分の家じゃない」からだそうだが、「公共精神はあるの？」とつい反問したくなる。

　大統領を筆頭に先進国入りを叫ぶ威勢の良さは気持ちがいい。経済発展のスピード感も高学歴の美男美女が居並ぶ芸能界も誇らしいことだろう。ただ、内面の豊かさを見るとどうだろうか？　“親韓家”の一人として、最近つとに思う。

（Ｕ）

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