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　日本のお茶の間で人気だった米国のテレビ番組「刑事コロンボ」を見ると、コロンボが「殺人には必ず動機がある」と言うセリフがたびたび出てくるが、今回の事件の場合、専門家らは容疑者が典型的な反社会性人格障害（サイコパス）である可能性が高いことに注目している。

　サイコパスの特徴は「極端に自己中心的で、他人を操る術に長じ、慢性的な嘘つきで、しかも全く反省しない」など。カン容疑者の言動は、彼が典型的なサイコパスであることを裏付けていると言えそうだが、そうなると「殺さなければならなかった理由」が曖昧であったり、罪の意識が希薄であるため厄介だ。「動機なき殺人」にはコロンボの出る幕もない。

　容疑者は近所で「優しい父親」として映っていたという。ごく普通の人がある日突然、凶悪犯として豹変することに住民はショックを隠しきれない様子だが、そういえば日本でもこういうパターンの事件が少なくない。昨年、ソウルの宿泊施設で起きた放火・無差別殺人を見て、秋葉原の無差別殺傷事件をすぐに思い浮かべた人もいただろう。

　韓国も近年、「治安がいい国」に数えられていたはずだが、その実、日本と同じように平穏な日常の中に潜む極悪犯罪に直面している。韓国の犯罪が日本化しているのだろうか。何とも嫌なご時世だ。

（Ｕ）

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