2009年02月24日

大失業時代と大学の学費

フランスから

 フランスの大学の授業料が無料というと驚く日本人は多い。世界的大不況が吹き荒れる昨今、親の支払い能力がないから大学に行けないという事態はフランスにはない。

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 イタリア移民のエミリオは、アパートの管理人で最低賃金に近い所得しかないが、息子は三人とも大学に行った。遠くの町に行ったが大学の寮が完備してあったので、親の負担は何もなかった。エミリオは言う。「イタリアから移り住んで、いろいろ政府には不満もあるが、大学が無料というのはありがたい。自分は大学に行けなかったが息子たちは大学に行き、一人は小学校の教師になった」と満足している。

 フランスの出生率がヨーロッパの中でも常にトップクラスな理由の一つに、教育費の無料化が指摘される。確かに大きなことだが、お隣のドイツは無料にもかかわらず出生率はそれほど高くない。

 ただ、国がすべての人々に平等に高等教育まで受ける権利を与えている制度は、あくまで勉学への意欲が前提にある。実際にはアフリカ系移民の二世の多くが、中学や高校時代に勉強を投げ出し、昼間からブラブラしている。授業料が無料だと親も学校のありがたみを感じないというマイナスもある。

 ただ、フランスの大学は、門戸は広いが出口は狭く、全入学生の約四分の一しか四年間を生き残れない。エミリオの三男は二年生で大学を切り上げ、専門学校に通っている。それはともかく、不況になると、授業料の無料は国民にはありがたい。

(A)

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sekai_no_1 at 08:48│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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