2009年04月07日

エリートの多様化

フランスから

 アメリカに黒人の血の入ったオバマ大統領が誕生して以来、フランスでは、非ヨーロッパ系移民への姿勢に変化が生じている。人口の一割に達する六百万人のアラブ系移民を抱えるフランスでは、マイノリティーに属する人々の同化問題は大きな課題だ。

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 政府は最近、大統領や政治家、高級官僚、大企業のトップといったスーパーエリートを養成する国立行政学院(ENA)に、来年からマイノリティー特別枠を設けることを発表した。具体的には、都市郊外の貧困地区に住む北アフリカ・アラブ系家庭で育った青年を毎年十五人、ENAに入学させるそうだ。

 パリ西郊外トラップに住む今年八十歳になるカレッドさんは、アルジェリアから移民した四十六年前、「われわれには掃除夫のような仕事しか与えられなかった」と語っている。

 そのカレッドさんの孫が今、パリ大学で政治学を専攻しているという。カレッドさんの希望は、孫がENAに入り、政治家か官僚になり、アラブ人の地位を向上させてほしいということらしい。

 フランスでも移民を排撃する極右政党やネオナチは存在するが、彼らは非ヨーロッパ人、とりわけ、イスラム教を信じるアラブ人を目の敵にしてきた。昨年誕生したサルコジ政権では、アラブ系移民の閣僚も誕生したが、人材育成は未整備状態だ。果たして、オバマ効果でフランスから人種差別が消えるのか、多文化共生主義を採用していないフランスにとっては、今後の大きな課題だ。

(A)

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sekai_no_1 at 08:51│Comments(0)TrackBack(0)ヨーロッパ 

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