2009年05月18日

新型インフルへの反応

エジプトから

 新型インフルエンザが感染者を増やし、世界は戦々恐々としている。ここエジプトでも、鳥インフルによる死者数が世界第二位であることもあって、警戒心はかなり強い。全人口の22%に当たる、千八百万人が死亡するとの推計も新聞に出た。

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 そこで面白いのはその対策だ。まだ豚との直接的関連が不明な段階から、日ごろから「不浄な動物」として、イスラム教徒に忌み嫌われてきた豚であったこともあってか、何と全頭例外なく殺処分されるべしとの決議案が人民議会を通過、政府にその実行を迫っている。

 その扇動役は、テロの温床になり得るとして非合法化されているイスラム根本主義団体ムスリム同胞団だが、同団にしてみれば、この運動の盛り上げは格好のコプト教(エジプトのキリスト教)攻撃になり得ることもあってか、機関誌やネットを通じ全力を挙げて宣伝、徹底して政府を後押ししている。

 同胞団にとって、豚のイメージを悪化させ、コプト教徒のイメージを低下させ、コプト教徒の経済基盤を破壊し得るという一石三鳥の効果が得られるからだ。

 もう一つ興味深いのは、イスラエルでの感染者数が増加するに伴い、エジプトに感染が広まれば、それはイスラエルから来るのだから、イスラエル人を殺害しようとの声が、一般民衆から出てきたことだ。エジプト人の反イスラエル感情がどれほどすさまじいものかを思い知らされた感じだが、それにしても激しい感情の入れ具合だ。もしそのことが立証されたら、戦争に立ち上がろうというのだから驚きである。

(S)

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1. どんどん広がっていますね  [ 健やかに ]   2009年05月27日 22:46
100人を超えたとか関西の話みたいですが関東はどうなんでしょうゼロみたいですが実は何も発表していないというか表だっていないというか何か検査していないんだそうです関東が検査を実施しているのは渡航歴のある人だけなんだそうです数量的に無理があるからなのでしょう

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