2009年06月08日

「ハンギョレ」願う子供たち

韓国から

 先日、ソウルに常駐する外国報道機関のメンバーが、脱北者の中高生が通う「ハンギョレ中高等学校」を訪ねる機会があり、記者もこれに参加した。ここは、北朝鮮を逃れた子供たちの韓国定着をサポートするために政府が運営する唯一の学校で、正規の学校に転学するまでの教育が施される。

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 「ハンギョレ」とは「ひとつの民族」という意味だが、この名前からすぐ思い浮かぶのが左派政権10年間ですっかり有名になった革新系日刊紙「ハンギョレ新聞」だ。だが、「反共教育をたくさん受けた」と自己紹介する校長先生が「新聞とは関係ありません」と説明してくれ、一安心した。

 剣道の授業や料理教室などを見学したが、カメラを向けると顔を伏せたり、ノートで隠す生徒もいた。万が一、北朝鮮に残る家族に危害が及ぶようなことがあってはならないという思いからだ。

 廊下で通り過ぎる生徒たちは、みな礼儀正しくあいさつする。韓国の今時の学生とは違い、すれていない。しかし出会った生徒たちは皆やせていて小柄だった。女子生徒に「何年生?」と尋ねると「中2です」。韓国の友人の中1の娘さんよりも身長がはるかに低い。十分に食べられず、栄養不足のためだと思うと心が痛んだ。

 3年前の設立に当たっては地元住民が「パルゲンイ(共産主義者)の子供を教える学校は受け入れられない」などと言って大反対したという。校名のごとく生徒たちは南北に分断された民族がひとつになることを純粋に願っているのだろうに……。

 反共も教条主義に陥ると、こんな壁を作ってしまうのか、と思わずにはいられなかった。

(U)

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sekai_no_1 at 12:00│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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