2009年08月31日

洪水の季節

フィリピンから

 今、フィリピンは雨季の真っただ中だ。強い雨が降るとあちこちの道路が冠水して思わぬ渋滞に出くわすので、どこに出掛けるにも「読み」が必要となる。

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 こうした不意の洪水に対応するため、お金持ちは皆、車高が高いスポーツ・ユーティリティー・ビークル(SUV)を好む。普通の乗用車が躊躇するような水没個所も、その車高を利用し大きな波を立てながら悠然と走り抜けていく。街でよく見掛ける8ナンバーの議員用の車も、黒塗りの高級セダンよりSUVやオフロード車が多いのは、やはりこの国の道路事情を如実に表していると言えるだろう。

 そしてSUV車の上を行くのが、「キング・オブ・ロード」の異名を持つ乗り合いバスのジプニーだ。トラックの車体部品を流用して造られるため車高も高く、何より造りがシンプルで水に強い。もしジプニーが走破を諦めるなら、迂回路を探すか、水が引くまで待つしかない。

 しかし実はもっと洪水に強い乗り物がある。サイドカーを付けた自転車のパジャックだ。普段はジプニーが走らない住宅街の路地で操業しているが、道路が冠水すると書き入れ時とばかりにどこからともなく現れる。川のようになった道路で、行き場を失った通行人を乗せて渡し船のように往復する。人力だから水で故障の心配もない。もちろん漕ぐ人間はずぶ濡れだが……。

 とにかく毎年のように同じ場所が冠水するのだが、何年たっても改善される気配はない。政治家たちは人々にアピールしやすい橋や歩道橋などの建設に実に熱心だが、天気が回復すればすぐに消えてしまう洪水対策には全く興味がないようだ。

(F)

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