2009年10月20日

時代の痛み聞こえる地・鉄原

韓国から

 江原道が最近、力を入れている「DMZ(非武装地帯)観光」の一環として南北軍事境界線に近い鉄原へ行って来た。韓国常駐の外国人記者たちを招いたもので、ソウルから北東に約100キロ、バスで1時間半ほどの距離にある。

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 広々とした平野には、収穫の日を待つ金色の稲穂が一面に広がり、一方で刈り取った稲束の山が幾つも点在し、いかにも秋を感じさせる。だが、のどかな風景とは裏腹に、ここはかつて民族同士が戦った韓国動乱の激戦地であり、何よりも一時期、北朝鮮領に組み込まれていた。

 戦争で廃虚になった旧鉄原市街地の中で唯一、当時の面影を残す旧朝鮮労働党庁舎は、以前は民間人統制区域に含まれていたが、子々孫々、「二度と同じ過ちを繰り返さないため」に現在では一般公開されている。

 ここでは約5年にわたり敵国(韓国)住民の拘束・拷問・虐殺が繰り返されたといい、案内の冊子には「時代の痛みが聞こえてくる場所」と書かれていた。日本植民地支配が終わって間もなく建てられたそうだが、天井は抜け、弾痕が残る外壁や一部階段部分などを除けば空洞のためか、本当に叫び声が聞こえてきそうな雰囲気が漂っていた。

 鉄原には1975年に発見された「南侵第2トンネル」や国連軍の砲撃によって壊された北朝鮮人民軍の貨物列車の残骸が横たわる旧京元線(ソウル−元山間の鉄道)の月井里駅跡などもあり、子供たちに安保や統一を教える格好の教材を提供している。

 ソウルに戻る途中、一般道を韓国軍の戦車が何台も列をなして走っているのを見掛けた。「平和ボケ」してはおられぬ厳しい現実に、日本人ながら身が引き締まる思いだった。

(U)

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sekai_no_1 at 13:50│Comments(0)TrackBack(0)韓国・北朝鮮 

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