2009年11月16日

首相に息子戦死の怒りぶつけた母親

英国から

 アフガニスタンに派遣されている英軍の戦死者数が今年になって急増しており(2001年以降の総数は232人だが、今年だけでこれまでに95人)、遺族たちの悲しみと憤りが報道される機会も多くなっている。

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 ブラウン首相は、戦死者が出るたびに遺族に対して自筆の悔やみ状を出しているようだ。ところが、先月20歳の息子を失った母親への悔やみ状は、殴り書きされたもので固有名詞もつづり間違いだらけのものだったため、母親は息子への侮辱だと憤慨した。首相は電話をかけて謝罪したが、母親は謝罪の仕方に誠意が足りないなどと噛みついた。

 首相は左目が義眼である上に、寸暇を惜しんで悔やみ状を急いで書き留めたために不完全なものを送ったのは落ち度だったかもしれない。首相から直接悔やみ状をもらうことは光栄なことのはずだ。ただ、その誠意を素直に受け止められないほどに母親の悲しみが深かったことも事実だ。

 事の一部始終をメディアが大きく取り上げたため、政治問題化して歪曲されてしまったが、首相は10日の記者会見で「経験した悲痛を処理するのにどれだけかかるかが自分にも分かる」と語り、生後10日で長女を亡くした自分の体験を重ね合わせた。これを聞いた母親は首相の言葉の真実味を受け入れて納得した。

 人の心の痛みは、同じような心の痛みを体験した人でないと心底分かち合えない、ということを英国人も知っている。

(G)

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